今回から2回に分けて、無線機の必要性について書いていこうと思います。
海の上では、万一のことも考慮に入れ、通信手段も考えなくてはいけません。
携帯電話があれば大丈夫という考えは、あまりおすすめしません。
沖合にでれば、電話もメールも通じなくなります。
携帯電話のキャリアによって、また場所によっても異なるので、
何Kmから通じなくなるとはっきりは言えませんが、
海上では信頼性のほとんどない通信手段だと思った方がよいでしょう。
また、船舶では緊急を要する通信が必要になる場合もあります。
ボートが沈みかけた時、思わぬ事故に遭遇したときに、
すぐ近くに船がいても、携帯電話だとその船の電話番号もわからないので呼びようがありません。
無線機は義務ではありませんし、小型船舶の免許の種類で
無線従事者の免許が必要になるかどうかが決まるというわけでもありませんが、
万が一に備えての無線機搭載をおすすめします。
無線機には資格が必要ですが、乗船する船の種類や乗船目的、
行動範囲で変わってくると思います。
無線資格ですが、プレジャーボートの操縦であれば、第三級海上特殊無線技士でも十分です。
第三級であれば、プレジャーボート用の無線電話と、小規模な舶用レーダーは扱えます。
遠洋を目指すのであれば、国際VHF帯域での国際通信が認められている
第一級海上特殊無線技士を取ることをお勧めします。
ちなみに第三級海上特殊無線技士の資格で5Wの国際VHFトランシーバを使うことが出来ます。
(次回で詳しくお伝えします。)
海上特殊無線技士とは
レーダー・無線電話の操作に必要な資格で、平成14年2月1日以降は無線設備を有する
総トン数20トン以上の船舶に乗船する甲板部職員は、国際航海に従事する船舶では
「第1級海上特殊無線技士」、国際航海に従事しない船舶では
「第2級海上特殊無線技士」以上の資格所持が義務付けられています。
そして、海上特殊無線技士免許証のうち、最も取得が簡単なのが第三級です。
送信出力が5ワットと低く抑えられていますが、VHF16チャンネルは使用できます。
航海中に近くにいる船と通信をしたい場合、
この16チャンネルで呼びかければすぐに交信を始められますが、
16チャンネルは緊急通信用として設定されているので、個人の用件で通信をする場合には、
他のチャンネルへ移動するという決まりになっています。
資格は国家試験になりますが、日本無線協会主催の養成課程を受講し、
修了試験に合格すれば免許が発行されます。
1日の講習で高い確率で合格が出来、免許の申請も同時にできますが
、費用が21,190円程かかります。(受講費+免許申請費用/平成28年度現在)
また、プレジャーボート専用の無線機も販売されており、
仲間ボートとの情報交換や、非常時には海上保安庁船艇とも交信できるため、
万一の海難事故発生時の緊急連絡には非常に安心です。
お気に入りの中古ボートに乗って海を安心して楽しむために、準備も万全にしましょう。
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